19日の香港市場は強弱材料が入り交じるなか、神経質な展開か。米国と中国の通商摩擦の深刻化が嫌気される半面、中国人民銀行(中央銀行)による預金準備率引き下げや手掛かりに、割安感がある銘柄が引き続き物色されそうだ。前日のハンセン指数は節目の30000ポイントを割り込む水準で買い戻しが入り、5営業日ぶりに反発して終えた。きょうも同水準が下値のめどとして意識されると予想する。
貿易を巡る米中間の制裁の応酬は、引き続き投資家心理の悪化要因となるだろう。米商務省は17日、中国産の鉄鋼製車輪を対象に、不当廉売(ダンピング)や不当な補助金の疑いで調査を開始したと発表した。さらに、中国から輸入するアルミニウム合金板について、最高113%の相殺関税の適用を仮決定した。一方、中国国家発展改革委員会の報道官は18日、米国が引き起こした貿易摩擦に対応し、中国はさまざまな対抗手段と政策を用意していると述べた。
18日の米株式市場は高安まちまち。ダウ平均が3営業日ぶりに反落したものの、S&P500とナスダック総合は小幅ながら上昇し、3営業日続伸となった。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は大型金融株のHSBC(
00005)とAIAグループ(
01299)、中国建設銀行(
00939)、中国IT大手のテンセント(
00700)、中国石油メジャーのCNOOC(
00883)などが香港終値を上回って引けた。一方、NY市場で原油先物相場が続伸。同日午後の時間外取引で、2014年12月2日以来およそ3年4カ月ぶりの高値を付けた。香港市場でも原油高を受けて関連銘柄に買いが入り、相場を下支えする要因となろう。