週明け16日の香港株式市場でハンセン指数は3営業日続落。終値は前営業日比1.60%安の30315.59ポイントだった。中国企業指数は2.06%安の12008.13ポイント。メインボードの売買代金は概算で1076億4700万HKドル。
ハンセン指数は小高く寄り付いた直後にマイナス圏に沈み、次第に下げ幅を広げる展開。中盤以降は下値抵抗とされた10日移動平均(大引け時点で30344.84ポイント)付近でもみ合ったが、結局同水準を割り込み、終値ベースで9日以来1週間ぶりの安値を付けた。米英仏がシリアのアサド政権の化学兵器関連施設を空爆したことを受け、幅広いセクターで地政学的リスクを意識した売りが出た。ロシアが米国からの輸入品や航空機材料となるチタンの輸出を制限する対抗措置を準備すると伝わり、世界的な貿易紛争の拡大が警戒された。中国本土相場の下落も地合い悪化の要因。13日大引け後に中国人民銀行(中央銀行)が発表した金融統計は、3月末のマネーサプライM2と人民元建て貸付残高増加額がともに予想を下回り、中国景気の減速懸念が浮上した。中国の1−3月期国内総生産(GDP)の発表をあすに控え、積極的な買いを控える気分も強かった。
ハンセン指数構成銘柄では、AIAグループ(
01299)や中国建設銀行(
00939)、中国工商銀行(
01398)、テンセント(
00700)など大型株が総じて売られ、相場を押し下げた。不動産株の碧桂園(
02007)と華潤置地(
01109)は大幅に続落。前日小高かった石炭大手の中国神華能源(
01088)は4.12%安と下げた。カジノ株の銀河娯楽(
00027)も安い。中国政府が海南省に設置する自由貿易試験区で、競馬などのスポーツくじを導入するとの見方から、競合するマカオのカジノ銘柄に売りが出たもよう。半面、中銀香港(
02388)は続伸。香港銀行間取引金利(HIBOR)の上昇による利ざや拡大期待から買われた。乳製品大手の中国蒙牛乳業(
02319)は反発した。
H株では、建材株の安徽コンチセメント(
00914)と中国中材(
01893)、石炭株のエン州煤業(
01171)の下げがきつい。鉄鋼メーカーのアンガン・スチール(
00347)、不動産デベロッパーの万科企業(
02202)も大きく売られた。一方、海南省美蘭国際空港を運営する海航基礎(
00357)が9.51%高と急騰。中国の習近平国家主席が海南島全体を自由貿易試験区とする方針を明らかにしたことを手掛かりに、買いが膨らんだ。アルミ大手の中国アルミ(
02600)、建機メーカーの中聯重科(
01157)も堅調だった。