週明け16日の香港市場は売りが先行か。13日の米株式市場大引け後、米国が英仏と共同でシリアのアサド政権の化学兵器関連施設を空爆したことで、投資家がリスクオフ姿勢を強めそうだ。トランプ米大統領は14日、「完璧に実行された攻撃だった。任務は完了した」とツイッターに投稿したが、ヘイリー米国連大使は16日にもムニューシン米財務長官がロシアへの追加制裁を発表すると明らかにした。一方、ロシアのプーチン大統領は14日、米英仏によるシリアへの軍事攻撃は「侵略行為」と非難。シリアを巡って米国とロシアの対立が深刻化するのは避けられない情勢だ。
前週末の中国の経済統計がさえない結果だったことも、懸念材料となるだろう。13日正午ごろ公表された3月貿易統計は輸出が予想に反して前年同月を下回った。同日大引け後に中国人民銀行(中央銀行)が発表した金融統計は、3月末のマネーサプライM2と人民元建て貸付残高増加額がともに予想を下回った。米国との貿易紛争懸念がくすぶるなか、中国景気の減速を警戒する売りが出る可能性がある。
13日のNY市場ではダウ平均など主要3指数がそろって反落した。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、中国IT大手のテンセント(
00700)や、中国4大商業銀行の中国建設銀行(
00939)、中国工商銀行(
01398)などが香港終値を下回った半面、欧州の銀行最大手HSBC(
00005)や石油株のCNOOC(
00883)が上回って引けた。