10日の香港市場は米株高の流れ引き継ぎ買い先行か。9日の米株市場でダウ平均をはじめ主要3指数がそろって反発。米中通商摩擦に関してムニューシン財務長官が貿易戦争に発展しないだろうと述べ、クドロー国家経済会議(NEC)委員長も話し合いによる解決の可能性を示したことで、米中貿易戦争への警戒感が和らいだ。香港市場でも米中摩擦懸念の後退が引き続き相場を支えるほか、原油相場の上昇も関連銘柄への買いを誘うだろう。
一方、中国のイベントを控え上値は重い展開か。あすから週末にかけて、中国の物価、金融、貿易など主要統計の発表を前に投資家が様子見姿勢に傾くと予想される。きょう10日には習近平国家主席が博鰲アジアフォーラムで講演する予定で、米中貿易摩擦の先行きに関心が集まる中、対米関係への発言内容を見極めたいとの雰囲気も強まりそうだ。
9日の香港株の米国預託証券(ADR)は高安まちまち。欧州の銀行最大手HSBC(
00005)、アジア生保大手のAIAグループ(
01299)、中国石油メジャーのペトロチャイナ(
00857)、CNOOC(
00883)が香港終値を上回った一方、中国IT大手のテンセント(
00700)や、中国金融大手の中国建設銀行(
00939)、中国平安保険(
02318)などが下回って引けた。