週明け9日の香港市場は前週末の欧米株安の流れを引き継ぎ、売りが先行か。米国と中国の貿易摩擦の激化を警戒してリスク資産を手放す動きが広がると予想する。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が6日の講演で「漸進的な利上げは米国経済のリスクを抑制する」と述べ、利上げを続ける姿勢をあらためて示したことも、投資家心理を悪化させそうだ。香港市場では、「ハンセン指数が2月9日に付けた年初来最安値(29129.26ポイント)を割り込む可能性がある」(香港経済日報)との見方も出ている。
もっともトランプ米大統領は8日、「中国は貿易障壁を取り払うだろう。彼らにとって良いことだからだ」「知的財産権で取引が成立する。(米中)両国に偉大な未来がある」とツイッターに投稿し、交渉を通じた紛争解決に意欲を示した。米国と中国が最終的には知財保護や米国の対中貿易赤字の削減に向けて合意できるとの見方が市場で強まれば、割安感に注目した買いが相場を支える展開があり得る。
6日のNY市場ではダウ平均など主要3指数がそろって4日ぶりに大幅反落した。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、中国IT大手のテンセント(
00700)や、中国4大商業銀行の中国建設銀行(
00939)、中国工商銀行(
01398)などが香港終値を下回った半面、欧州の銀行最大手HSBC(
00005)や香港公益株の電能実業(
00006)が上回って引けた。