28日の香港市場は前日の米株安の流れを引き継ぎ売り先行で始まるか。27日の米NY株式相場は主要3指数がそろって反落。個人情報流用問題を抱えるフェイスブックや、自動運転実験の一時中止を発表したエヌビディアなどハイテク株が大きく下落すると幅広い銘柄に売りが波及した。香港市場では、米中貿易紛争への過度な懸念は後退したものの、依然として警戒感は根強い。今週に入って人民元レートを巡りオンショア市場とオフショア市場での変動幅が大きくなっていることも気がかりだ。
27日の香港株の米国預託証券(ADR)はIT大手のテンセント(
00700)、アジアの生保大手のAIAグループ(
01299)、本土金融大手の中国建設銀行(
00939)、中国工商銀行(
01398)、中国平安保険(
02318)など大型銘柄がそろって香港終値を下回った。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を380ポイント近く下回る水準で寄り付くことになる。
もっとも売り一巡後は底堅い展開か。香港市場では決算発表が佳境を迎える中、好決算や業績見通しを手掛かりとする個別銘柄の物色が続いている。きょうはハンセン指数構成銘柄の中国中信(
00267)、中国企業指数構成銘柄のチャイナ・テレコム(
00728)や中国中車(
01766)などが2017年12月本決算を発表する。