27日の香港市場は米株高の流れ受け買い優勢で始まるか。前日の米株市場ではダウ平均が大幅反発。米中貿易紛争に対する過度の懸念が後退したことが好感され、幅広い銘柄が買い戻された。米主要メディアが、中国が対米黒字削減のため米国製半導体の輸入を増やす提案したことや、米国の中国市場へのアクセス向上のための協議を始めたと報じた。ハイテク比率の高いナスダック総合指数が01年1月3日以来の上げ幅を記録したことも関連株への買いを誘うだろう。
26日の香港株の米国預託証券(ADR)は欧州金融大手のHSBC(
00005)、中国IT大手のテンセント(
00700)、アジアの生保大手のAIAグループ(
01299)や、本土金融大手の中国建設銀行(
00939)、中国平安保険(
02318)など主力銘柄がそろって香港終値を上回った。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を250ポイント余り超える超水準で寄り付くことになる。
もっとも、買い急ぐ動きは限定的か。市場では米中貿易紛争が世界景気の停滞につながるとの懸念は根強く、投資家が積極的に持ち高を一方向に傾ける動きを手控える可能性がある。一方、
香港市場で決算発表が本格化する中、発表結果や業績見通しを手掛かりとする個別銘柄の物色が活発化しよう。きょうは本土大型銀行の中国工商銀行(
01398)、中国郵政儲蓄銀行(
01658)などが2017年12月本決算を発表する。