23日の香港市場は大幅続落でスタートか。米中貿易戦争への警戒感から下値を試す展開になりそうだ。トランプ米大統領は22日、知的財産権侵害を理由に中国に最大600億米ドルの関税を課す大統領令に署名。対象品目はハイテク製品が中心とみられ、中国企業の対米投資も一部制限する。中国の強い反発が必至な状況で、米中の貿易摩擦は緊張の度合いを増している。
金融引き締めへの懸念もくすぶる。21日まで開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)では追加利上げが決定し、それに追随する形で中国人民銀行(中央銀行)が23日の公開市場操作(オペ)でリバースレポ(売り戻し条件付き債券購入)の金利を0.05%引き上げた。英中銀のイングランド銀行が早期に利上げするとの観測も広がり、主要国の中央銀行が金融政策の正常化に向かうとの見方が株式市場の重しになろう。
22日のNY市場でダウ平均が724米ドルの大幅安となり、2月8日以来1カ月半ぶりの安値を付けた。ハイテク比率の高いナスダック総合指数は2月14日以来ほぼ1カ月ぶりの安値で終えた。22日の香港株の米国預託証券(ADR)は、中国IT大手のテンセント(
00700)、大型金融株のHSBC(
00005)、中国建設銀行(
00939)、中国工商銀行(
01398)、AIAグループ(
01299)、中国平安保険(
02318)などがそろって香港終値を大きく下回った。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を約600ポイント超下回る水準で寄り付くことになる。
一方、決算発表が本格化する中、業績を手掛かりとした個別売買が引き続き活発化になりそうだ。きょうはハンセン指数構成銘柄で石油メジャーのシノペック(
00386)、石炭大手の中国神華能源(
01088)が決算を発表する。