中信証券(
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中信証券は、人民銀は米連邦準備理事会(FRB)の利上げ決定に追随してオペ金利を引き上げており、利上げ方針が不変であることを再度裏付けたとした。また、資金供給量の縮小に小幅利上げを組み合わせる手法は金融政策の柔軟性を高めると評価。現在のトレンドからみて、世界的な金融政策の正常化プロセスが進展し、FRBの利上げ見通しが固まったことで、国際金融政策と協調して中国が金利を引き上げる方針がはっきりしたとみている。
中信証券によると、今後は金融政策により流動性の中立化が加速し、利上げの影響が次第に鮮明になる見通し。中国の10年物国債利回りは足元で3.8−4.0%のレンジで推移しているが、漸進的に4%を中心値とするレンジへ回帰する公算が大きいとした。