20日の香港株式市場でハンセン指数は小幅に続伸。終値は前日比0.11%高の31549.93ポイントだった。中国企業指数は0.50%安の12597.42ポイント。メインボードの売買代金は概算で1234億8000万HKドル。
ハンセン指数は下値抵抗として意識されている50日移動平均(19日大引け時点で31390.04ポイント)を割り込んでスタート。会員情報の不正利用が発覚したフェイスブック株の急落をきっかけに前日のNY市場が大幅に下落したことを嫌気。大手IT企業に対する規制の強化が警戒された。米中貿易摩擦の激化に対する懸念も引き続き重しとなり、前場は軟調に推移した。一方、後場に入ると下げ幅を縮小し、50日移動平均を回復。前日終値付近でもみ合いながらプラス圏で引けた。本土市場で安かった上海総合指数が切り返したことが好感されたほか、好決算や業績見通しを手掛かりとした買いが相場を支えた。
ハンセン指数構成銘柄では、2017年12月本決算が予想を上振れたスマホ部品メーカーの舜宇光学科技(
02382)が大幅高となり、同業の瑞声科技(
02018)もつれ高。決算発表をあすに控えるIT大手のテンセント(
00700)が後場から上昇に転じた。自動車メーカーの吉利汽車(
00175)、電力大手の華潤電力控股(
00836)は大幅に続伸。半面、中国建設銀行(
00939)、中国工商銀行(
01398)など本土銀行株が軟調に推移し、相場の足を引っ張った。香港証券取引所(
00388)が続落。同証取が上場誘致を目指しているサウジアラビアの国営石油会社、サウジアラムコが2019年に自国の証券取引所にのみ上場するとの情報が売りを誘ったもよう。このほか、新世界発展(
00017)など香港デベロッパーの一角も下落した。
H株では、上海復星医薬(
02196)、麗珠医薬集団(
01513)など医薬株が買いを集めた。李克強首相が全国人民代表大会(全人代)閉幕の記者会見で、基本医療保険への財政補助金を引き上げる方針を示したことなどが材料視された。好決算を受けてクリーンエネルギー大手の新天緑色能源(
00956)、同業の華能新能源(
00958)が大幅高。半面、不動産大手の万科企業(
02202)、航空株の中国国際航空(
00753)が続落。中国太平洋保険(
02601)、新華人寿保険(
01336)、中国郵政儲蓄銀行(
01658)など本土金融株がさえない。