16日の香港市場は米株高を引き継ぎ、買いが先行か。米3月NY連銀製造業景況指数や米2月輸入物価指数が強い結果となったことを受け、前日のNY市場でダウ平均が4営業日ぶりに反発した。米景気拡大が続いているとの見方が好感された。ハイテク比率の高いナスダック総合は3日続落したものの、中国ネット通販最大手のアリババ・グループ(BABA)が3%を超す大幅高。このところニューエコノミーのA株上場誘致を巡る中国当局幹部の発言が目立つ中、アリババ・グループは早ければ今年4−6月期にも中国預託証券(CDR)の形で本土市場に上場するとの情報が伝わり、材料視されたもよう。香港市場でもニューエコノミー関連に買いが波及すれば、相場を押し上げる要因になる。
一方、上値の重い展開を予想する。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが15日、トランプ米政権が対中貿易で最低でも300億ドルの輸入関税を検討していると報じた。米中貿易摩擦が激化するとの警戒感が根強く、相場の重しになろう。また、3月20−21日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利上げが見込まれる中、米ドルの主要通貨に対する総合的な強さを示すドルインデックスは再び90に乗せた。新興市場からの資金流出も懸念されそうだ。
15日の香港株の米国預託証券(ADR)はまちまち。欧州金融大手のHSBC(
00005)や香港証券取引所(
00388)が香港終値を上回った一方、IT大手のテンセント(
00700)、本土金融大手の中国建設銀行(
00939)、中国工商銀行(
01398)、中国人寿保険(
02628)などが下回って引けた。なお、きょうはハンセン指数構成銘柄の長江和記実業(
00001)、電能実業(
00006)、長江実業集団(
01113)、長江インフラ(
01038)が2017年12月本決算を発表する。