14日の香港市場は欧米株安の流れを引き継ぎ売り先行で始まるか。13日の米NY市場は主要3指数がそろって下落。IT株に利益確定売りが強まったほか、金融やエネルギー株が下落し相場を押し下げた。欧州の主要株式市場も総じて軟調だった。香港市場では、ハンセン指数が5週ぶりの高値水準にあり、目先の利益を確定する売りが出やすい状況。前日の相互取引制度を通じた中国本土投資家による香港株売買は売り越しに転じた。トランプ米政権が中国から輸入している電子機器や通信機器への関税を検討していることが伝わるなか、米中の貿易摩擦懸念も相場を重くするだろう。
もっとも売り一巡後は底堅い展開か。米長期金利の上昇と香港ドル安が落ち着きをみせ、香港市場からの資金流出への警戒感が後退している。また、本土市場は前日に上海総合指数が4日ぶりに反落したものの、20日まで開催予定の全国人民代表大会の期間中は金融当局が相場の安定を図るとの期待が高い。なお、きょう寄り付き後に、中国本土で2月の小売売上高、鉱工業生産、固定資産投資がそれぞれ発表される。
14日の香港株の米国預託証券(ADR)はIT大手のテンセント(
00700)、金融株の中国建設銀行(
00939)、中国平安保険(
02318)、AIAグループ(
01299)など大型銘柄が香港終値を下回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を約250ポイント近く下回る水準で寄り付くことになる。