9日の香港株式市場でハンセン指数は続伸。終値は前日比1.11%高の30996.21ポイントだった。中国企業指数は0.78%高の12431.20ポイント。メインボードの売買代金は概算で999億8000万HKドルとなり、1000億HKドルの大台に届かなかった。
ハンセン指数は10日移動平均(8日大引け時点で30775.54ポイント)に乗せてスタート。トランプ米大統領が鉄鋼とアルミの輸入制限を命じる文書に署名したものの、当初より柔軟な対応を示したことで「世界的な貿易戦争」への警戒感が和らいだ。米朝首脳会談の開催を巡る報道を受けて日本や韓国などアジア主要市場がそろって上昇したことや、全国人民代表大会(全人代)への政策期待で本土市場が総じて堅調に推移したことも地合いの改善につながった。ただ、心理的節目の31000ポイント付近では伸び悩み、一段と買い上げるには勢いを欠いた。米輸入制限に対する中国や欧州連合(EU)などの対抗措置を見極めたいほか、9日に米国雇用統計の発表などを控えていることもあり、様子見ムードが漂った。
ハンセン指数構成銘柄では、スマホ部品メーカーの舜宇光学科技(
02382)、瑞声科技(
02018)が大幅高。自動車部品メーカーの吉利汽車(
00175)や、2017年12月本決算が市場予想を上振れた香港鉄路(
00066)が買われた。アジア生保のAIAグループ(
01299)、中国国有銀行の中国建設銀行(
00939)、中国工商銀行(
01398)、中国IT大手のテンセント(
00700)なども堅調に推移し、相場を支えた。半面、台湾系食品メーカーの中国旺旺(
00151)、香港不動産関連のLink REIT(
00823)、恒隆地産(
00101)がさえない。
中国企業指数構成銘柄では、風力設備メーカーの新疆金風科技(
02208)、建材の中国建材(
03323)、中国中材(
01893)、港湾運営の秦皇島港(
03369)が高い。保険の中国人民財産保険(
02328)、中国人民保険(
01339)や、華泰証券(
06886)、広発証券(
01776)など金融株の一角がしっかり。半面、産金の紫金鉱業集団(
02899)、招金鉱業(
01818)、鉄鋼の馬鞍山鋼鉄(
00323)、アンガン・スチール(
00347)が売られた。17年12月本決算を発表した中国原発最大手の中国広核電力(
01816)が下げた。前日に高かった自動車メーカーの東風汽車集団(
00489)は反落した。