9日の香港市場は様子見ムード高まるか。トランプ米大統領が8日、鉄鋼とアルミニウムの輸入制限を命じる文書に署名。メキシコとカナダが対象から除外され、その他の軍事上重要な国についても柔軟な対応の用意があるとしたことで米国の保護主義政策に対する過度な懸念が後退した。ただ、追加関税はそもそも中国を標的するもので、米中貿易摩擦の激化は必至だ。中国や欧州連合(EU)などの出方を見極めたい投資家が積極的な売買を控える可能性がある。
国内外で重要イベントも相次ぐ。きょうは中国で2月の物価統計が発表されるほか、来週にかけて金融統計や鉱工業生産、小売売上高、固定資産投資など重要経済指標の発表が予定されている。米国では2月雇用統計の発表を9日に控える。また、全国人民代表大会(全人代)関連のスケジュールでは、中国人民銀行(中央銀行)が金融改革と発展について記者会見を行う。
前日のNY市場でダウ平均は反発。ハイテク株の比率が高いナスダック指数は5日続伸した。8日の香港株の米国預託証券(ADR)は、大型金融株のHSBC(
00005)、中国建設銀行(
00939)、AIAグループ(
01299)や中国IT大手のテンセント(
00700)などが香港終値を上回った半面、石油メジャーのペトロチャイナ(
00857)、CNOOC(
00883)などが下回って引けた。