8日の香港市場は買いが先行か。トランプ米大統領が発動を表明した鉄鋼とアルミニウムへの輸入制限について、米高官が7日、国によっては適用を除外する可能性を示唆したことで、世界的な「貿易戦争」への懸念が和らぐと予想する。前日のハンセン指数は反落し、下値支持線として意識される100日移動平均(7日大引け時点で30034.24ポイント)に近い水準で引けただけに、割安感の出た銘柄が物色されそうだ。また、7日のNY市場はダウ平均が3日ぶりに反落したものの、ハイテク銘柄比率が高いナスダック総合は4営業日続伸。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、大型金融株のHSBC(
00005)、中国建設銀行(
00939)、AIAグループ(
01299)や中国IT大手のテンセント(
00700)などが香港終値を上回って引けた。
もっとも、買い一巡後は上値の重い展開となりそうだ。トランプ大統領は8日にも輸入制限を命じる文書に正式署名すると伝わっており、関税を課す対象の国などの詳細を見極めたい投資家は積極的な買いを控えるだろう。一方、全国人民代表大会(全人代)が開催中の中国では、財政部の史耀斌副部長は7日の記者会見で、「不動産税法案の起草作業を急いでいる」と述べた。積年の課題である不動産税の導入が進展すると受け止められれば、関連銘柄の売り材料となろう。
なお、きょうは台湾系携帯電話機メーカーの富智康集団(
02038)、不動産系コングロマリットのワーフ(
00004)、香港の独占鉄道事業者の香港鉄路(
00066)などが決算を発表する。また、2月の中国貿易統計が発表される予定。