5日の香港市場は売りが先行か。トランプ米大統領が1日に鉄鋼とアルミニウムの関税引き上げを表明したことから、中国などとの貿易摩擦の激化が警戒されている。また香港ドル安を受け、投資家が資金を香港市場から引き揚げる動きが加速しそうだ。2日には1米ドル=7.8325HKドルと、1989年12月1日以来28年3カ月ぶりの香港ドル安/米ドル高水準を付けた。市場関係者は、ハンセン指数が心理的節目の30000ポイントを割り込む可能性がある(『香港経済日報』)との声が聞かれた。
ただ、中国本土A株市場が堅調に推移すれば、香港市場に重複上場する銘柄にも買いが波及して相場を下支えする展開があり得る。中国で全国人民代表大会(全人代)がきょう開幕することで、大会期間中(16日間)は当局が金融市場の安定を図るとの期待が根強い。一方、2日のNY市場はダウ平均が4日続落した半面、ハイテク株の構成比率が高いナスダック総合は4日ぶりに反発した。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は高安まちまち。国際金融銘柄のHSBC(
00005)とAIAグループ(
01299)、中国IT大手のテンセント(
00700)が香港終値を上回った半面、中国4大商業銀行の中国建設銀行(
00939)と中国銀行(
03988)、香港コングロマリットの長江和記実業(
00001)が下回って引けた。
なお、きょうはハンセン指数構成銘柄の九龍倉置業地産(
01997)が2017年12月本決算を発表する予定。また、中国企業指数の構成銘柄に中国中信(
00267)やテンセント(
00700)などレッドチップとPチップ(民営企業)計10銘柄が追加される。