27日の香港市場は買いが先行か。米長期金利の低下や米国と中国の株高を受け、投資家がリスク選好姿勢を強めそうだ。米長期金利の指標となる10年債利回りは26日、一時2.83%まで低下。同日の米株式市場でダウ平均など主要3指数がそろって続伸した。香港株の米国預託証券(ADR)はテンセント(
00700)や中国建設銀行(
00939)、中国平安保険(
02318)、HSBC(
00005)など大型株が総じて香港終値を上回って引けた。
中国本土市場では、共産党の第19期中央委員会第3回全体会議(3中全会)が26日に開幕し、株式相場が安定推移するとの見方が浮上している。中国人民銀行(中央銀行)が春節(旧正月)連休明けの22日から公開市場操作(オペ)を通じた資金供給を続けており、買い安心感につながっているようだ。
好決算や業績見通しを手掛かりとする個別物色も引き続き活発となろう。27日朝方にAIAグループ(
01299)が発表した2017年11月本決算は、純利益が前年比47.0%増の61億2000万米ドルとなり、ファクトセットがまとめた市場コンセンサス予想53億3200万米ドルを上回った。ほかに、ハンセン指数構成銘柄の新鴻基地産(
00016)と新世界発展(
00017)がきょう2017年12月中間決算を発表する。
もっとも、米国と中国の重要イベントを前に、結果を見極めたいとして見送りムードが広がり、上値が伸び悩む展開がありそうだ。27日には、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル新議長が米下院で就任後初めての議会証言に臨む。金融政策に関する発言次第では、相場の値動きが荒れる要因となろう。28日には2月の中国購買担当者指数(PMI)と、10−12月期の米国内総生産(GDP)改定値が発表される。前日のハンセン指数は上値抵抗とされた20日移動平均(26日大引け時点で31347.46ポイント)を上抜けただけに、高値警戒感が強まる可能性もある。市場では「31800ポイントを試す展開」(香港経済日報)との声が聞かれた。