9日の香港株式市場でハンセン指数は大幅に反落。終値は前日比3.10%安の29507.42ポイントだった。H株指数は3.87%安の11901.67ポイント。メインボードの売買代金は概算で2190億800万HKドルだった。
ハンセン指数は米株安の流れを受けて心理的節目の30000ポイントを下回って寄り付くと、序盤に下値抵抗とされる100日移動平均(9日大引け時点で29603.01ポイント)を割り込んだ。米長期金利の上昇懸念の高まりから前日のNY市場でダウ平均が再び1000米ドル超の下げとなったことに加え、上海総合指数が下げ止まらず、4日大幅続落で推移したことで嫌気された。投資家の不安が高まり、香港市場の恐怖指数と称されるハンセン指数ボラティリティ・インデックス(VHSI)は英国のEU(欧州連合)離脱が国民投票で決まった2016年6月並みの水準まで上昇した。相場は終始リスクオフの動きが優勢で、ほぼ全面安の展開となった。もっとも、上海総合指数がいったん割り込んでいた心理的節目の3100ポイントを回復して終えると、ハンセン指数は終盤に下げ幅をやや縮小したが、100日移動平均付近では売り圧力が強かった。終値は昨年の最終取引日である12月29日以来の安値となった。
ハンセン指数構成銘柄では、時価総額の大きい中国建設銀行(
00939)、中国平安保険(
02318)、AIAグループ(
01299)など大型金融株やIT大手のテンセント(
00700)、通信キャリアのチャイナ・モバイル(
00941)が大幅に下落した。本土不動産の碧桂園(
02007)、マカオカジノの銀河娯楽(
00027)、豚肉大手の万洲国際(
00288)の下げが目立った。市況の悪化を嫌気して香港証券取引所(
00388)が売られた。半面、スマホ部品メーカーの舜宇光学科技(
02382)が後場後半から上昇に転じたほか、同業の瑞声科技(
02018)もかろうじてプラス圏で引けた。
H株では、建材の中国建材(
03323)と中国中材(
01893)、不良債権処理大手の中国華融資産管理(
02799)、有料道路運営の四川高速道路(
00107)、発電設備メーカーの東方電気(
01072)が大幅安。中信証券(
06030)、中国銀河証券(
06881)、華泰証券(
06886)など証券株が軒並み売られた。雅居楽集団(
03383)から分離上場した不動産管理会社、雅居楽雅生活服務(
03319)公開価格比23.09%安で初日の取引を終えた。全H株銘柄の中で、上昇は濃縮ジュースメーカーのアンドレ・ジュース(
02218)や山東墨龍石油機械(
00568)など5銘柄のみだった。