9日の香港市場は大幅反落でスタートか。前日のNY市場でダウ平均は再び1000米ドルを超す下落となり、5日に次ぐ過去2番目の下げ幅となった。前日に米与野党指導部が2018−19年度の歳出上限の引き上げで合意したことを受け、国債増発の懸念が広がり、米長期金利の上昇圧力の高まりが一層警戒された。相場のボラティリティが大きい状況が続く中、投資家の不安心理が高まっている。香港市場でも先行きに対する楽観的な見通しが大きく後退し、相場はしばらく調整局面に入り、昨年12月の安値水準28100ポイント付近まで下がるとの見方も出ている。
中国当局の金融引き締めなどを背景に上海総合指数が下げ止まらず、前日まで大幅に3日続落して約6カ月ぶり安値で終わったことも地合いを冷やす。春節(旧正月)連休のため、来週13日から本土から相互取引を通じた香港株の売買が一時ストップすることとなり、それを前に本土マネーの引き揚げも警戒されている。リスクオフの動きが優勢になりそうだ。
8日の香港株の米国預託証券(ADR)は、中国IT大手のテンセント(
00700)、欧州金融大手のHSBC(
00005)、アジアの生保大手のAIAグループ(
01299)、本土金融大手の中国建設銀行(
00939)、中国工商銀行(
01398)、中国平安保険(
02318)などが総じて香港終値を下回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を620ポイント近く下回り、心理的節目の30000ポイントを割り込んで寄り付くことになる。もっとも、足元で中国経済に対する見通しが総じて楽観的で、下値圏では好業績銘柄の割安感に注目した買いが入れば、相場をある程度下支えよう。