19日の香港市場は高値警戒感が上値を抑えるか。前日にハンセン指数は史上最高値を更新し、終値が初めて節目の32000ポイント台に乗せた後とあって、目先の利益をいったん確定する売りが相場の重しとなりそうだ。香港市場のテクニカル指標RSIは買われすぎの基準を大幅に上回る水準にあり、相場過熱感は否めない。前日にNY市場でダウ平均が反落したことも嫌気される可能性がある。
一方、相場の先高観が根強い。現時点で香港市場の平均予想PERは依然として14.4倍にとどまり、2007年の24倍を大きく下回っていると指摘されている。前日の香港市場の売買代金は2000億HKドル台を記録した15年7月9日以来の1963億HKドルに膨らみ、中国本土から相互取引を通じて香港株に投資する「南向き」資金の買越額も61億HKドルに増加。香港市場への潤沢な資金流入を背景に、中期的には相場が一段高を試すとみる向きが多い。前日に発表された中国の2017年の実質国内総生産(GDP、速報値)成長率が7年ぶりに前年水準を上回り、堅調な中国経済も買い安心感につながりそうだ。
18日の香港株の米国預託証券(ADR)は、欧州金融のHSBC(
00005)、IT大手のテンセント(
00700)、本土保険大手の中国平安保険(
02318)、石油メジャーのCNOOC(
00883)が香港終値を上回った半面、4大国有銀行の中国建設銀行(
00939)、中国銀行(
03988)、アジア生保のAIAグループ(
01299)が下回って引けた。