11日の香港株式市場でハンセン指数は小幅ながら13営業日続伸。終値は前日比0.15%高の31120.39ポイントだった。H株指数は0.05%高の12295.52ポイント。メインボードの売買代金は概算で1288億2400万HKドル。
ハンセン指数は10日の米株安の流れを引き継ぎ、小安く寄り付いた。その後は、前日終値を挟んで一進一退の値動きに終始し、方向感を欠いた。同指数は10年2カ月ぶりの高値圏にあるだけに利益確定売りが出やすい半面、欧米株式市場の主要指数に比べ割安との見方から中長期的な先高観が根強い。前場に心理的節目の31000ポイントを割り込む場面があったものの、終値は同水準を上回った。おおむね軟調に推移していた上海総合指数が終盤に切り返して終え、投資家心理が改善したもよう。セクター別では電子部品や素材が買われた一方で、IT、セメントが売られた。
ハンセン指数構成銘柄では、米長期金利の上昇で利ざや改善が期待できるHSBC(
00005)が買われ、1銘柄で指数を73ポイント超押し上げた。スマートフォン部品メーカーの舜宇光学科技(
02382)が9%超高と大幅続伸したほか、瑞声科技(
02018)も高い。香港不動産株の恒隆地産(
00101)と九龍倉置業地産(
01997)は反発した。一方、中国IT大手テンセント(
00700)が下落率1位に沈み、相場の重荷だった。自動車メーカーの吉利汽車(
00175)とパソコン大手のレノボグループ(
00992)が続落した。
H株では、証券会社の強気判断を手掛かりに中国国際航空(
00753)、中国東方航空(
00670)、中国南方航空(
01055)の空運3社が買われた。洛陽モリブデン(
03993)はモリブデン価格の上昇を好感する買いが膨らみ、10年1カ月ぶり高値を付けた。電気ニッケルメーカーの新疆新キン鉱業(
03833)も高い。一方、セメント株の中国中材(
01893)と中国建材(
03323)、安徽コンチセメント(
00914)がそろって大幅安。中間原料のクリンカーの価格急落が嫌気された。