28日の香港市場は、年末を控えた低調な商いの下で神経質な値動きか。強弱材料が入り交じり、相場の方向感は乏しいと予想する。ハンセン指数はクリスマス連休明けの前日、小幅に3営業日続伸。終値は11月29日以来ほぼ1カ月ぶりの高値を付けただけに、持ち高を整理する売りが出そうだ。上海総合指数は3300ポイントを超える水準で上値の重さが目立ち、香港上場の本土系銘柄が大きく買われて相場全体を押し上げる展開は期待できないとみる。27日のNY市場で、リビアの油田パイプライン爆発による供給不安が和らいで原油先物相場が反落したことも、関連銘柄の売り材料となろう。
半面、NY株式相場はダウ平均など主要3指数がそろって上昇した。米長期金利の低下を受け、香港を含む新興国からの資金流出懸念は後退するだろう。環境保護や農業振興など、中国の産業政策に期待する買いも引き続き入りそうだ。27日の香港株の米国預託証券(ADR)は大型株が高安まちまち。国際金融銘柄のHSBC(
00005)とAIAグループ(
01299)、IT大手のテンセント(
00700)が香港終値を上回った半面、中国の携帯通信最大手チャイナ・モバイル(
00941)、生保大手の中国人寿保険(
02628)、香港コングロマリットの新世界発展(
00017)などが下回って引けた。