19日の香港市場は欧米株高の流れ引き継ぎ買い優勢で始まるか。前日の欧州市場は米税制改革実現期待を背景に軒並み高。NY市場ではダウ平均、S&P500、ナスダック総合の主要3指数そろって2日連続で過去最高値を更新した。米税制改革法案が週内にも上下両院で可決される見通しとなり、法人税減税を好感した買いが続き相場を押し上げた。香港市場ではこうした外部環境の改善が支援材料となるほか、ハイテク銘柄の比重が大きいナスダックが前日に一時7000ポイントの大台を突破したことも、関連株への買いを誘うと予想される。
18日の香港株の米国預託証券(ADR)は欧州金融大手のHSBC(
00005)、中国IT大手のテンセント(
00700)、アジアの生保大手のAIAグループ(
01299)や、本土金融大手の中国建設銀行(
00939)、中国平安保険(
02318)など主力銘柄がそろって香港終値を上回った。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を150ポイント近く上回る水準で寄り付くことになる。
もっとも買い一巡後は上値の重い展開か。ハンセン指数は前日に節目の29000ポイントを回復したものの、売買代金は1カ月半ぶりに1000億HKドルの大台を割り込んだ。香港と中国本土の金利が高止まりするなか、中国当局の金融引き締めに対する警戒感がくすぶっている。加えて、2018年の中国の経済政策指針を決める中央経済工作会議が開催中(18−20日)とあって、結果を見極めようと様子見気分が強まり、上値を抑える可能性がある。