12日の香港市場は買い優勢で始まるか。前日の米株市場でダウ平均は3営業日続伸し、連日で過去最高値を更新。ハイテク株の比重が大きい米ナスダックも4営業日続伸した。中国本土市場も中国景気の底堅さが意識されるなか、上海総合指数は11日、およそ2週間ぶりに節目の3300ポイントを回復した。香港市場ではこうした流れを受けて投資家が運用リスクを取る姿勢を強め、前日上抜けなかった節目の29000ポイントを試す展開になると予想する。中国本土から相互取引制度を通じて香港市場に投資する「南向き」資金は前週末以降に香港株の買越額が急増していることもプラス材料だ。
11日の香港株の米国預託証券(ADR)は欧州金融大手のHSBC(
00005)、中国IT大手のテンセント(
00700)、中国の通信キャリア大手のチャイナ・モバイル(
00941)、中国石油メジャーのペトロチャイナ(
00857)、シノペック(
00386)などがそろって香港終値を上回った。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を70ポイント余り上回る水準で寄り付くことになる。
もっとも高値圏では上値の重い展開か。12−13日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、14日には中国の11月の主要経済指標の発表を控えており、米金利政策の先行きや中国の景気動向を見極めようと積極的に持ち高を傾ける動きが限られる可能性がある。