1日の香港市場は反発か。前日にハンセン指数は大幅に4日続落し、終値は下値支持として意識された20日移動平均(大引け時点で29279.40ポイント)を割り込み、11月16日以来2週間ぶりの安値で引けた。急落した後とあって、相場の自律反発を狙った買いが入りやすい状況にある。前日のNY市場で税制改革実現期待を背景に景気敏感セクターを中心に幅広い銘柄が上昇し、ダウ平均が初めて節目の2万4000米ドルに乗せたことが投資家のリスク許容度の改善につながる可能性がある。ハイテク比率の高いナスダック指数の反発や、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどOPEC非加盟の主な産油国が減産期間の延長で合意したことも関連銘柄の買い材料になろう。
ただ、中国の資金需給引き締まりへの警戒感や軟調な本土市場が引き続き相場に重しになりそうだ。中国人民銀行(中央銀行)は今週に入って公開市場操作(オペ)を通じた短期資金の出入りを差し引きゼロにしており、上海銀行間取引金利(SHIBOR)の上昇基調が続いている。また、12月4日のハンセン指数構成銘柄の入れ替えを控え、ウエートが引き下げられるテンセント(
00700)などはファンドによる売りが続く可能性があると指摘する声もある。
11月30日の香港株の米国預託証券(ADR)は、主力株ではテンセント、CNOOC(
00883)、中国建設銀行(
00939)、AIAグループ(
01299)、中国平安保険(
02318)が香港終値を上回る半面、HSBC(
00005)が下回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を約100ポイント上回る水準で寄り付くことになる。