21日の香港株式市場でハンセン指数は大幅に4営業日続伸。終値は前日比1.91%高の29818.07ポイントだった。H株指数は2.91%高の11874.37ポイント。メインボードの売買代金は概算で1570億700万HKドルと、年初来で最大となった。
ハンセン指数は高く寄り付き、大商いのなかで上げ幅を次第に拡大。終値は2007年11月2日以来ほぼ10年1カ月ぶりの高値を付けた。前日の欧米株高に加え、きょうの中国本土市場で安く始まった上海総合指数が切り返して午前の取引を終えたことで、買い安心感が広がった。米ドル相場と米長期金利が落ち着いている上、中国本土から相互取引制度を通じた資金流入が続き、市場ではハンセン指数が年内に30000ポイントを突破する(『香港経済日報』)との観測が浮上した。幅広いセクターで買いが優勢となるなか、香港系不動産の一角が軟調だった。
ハンセン指数構成銘柄では、中国平安保険(
02318)は8.84%高と急伸。前日の投資家説明会で明かしたフィンテック戦略を材料に買い進まれたもよう。AIAグループ(
01299)も大幅に反発し、保険株2銘柄でハンセン指数を223ポイント近く押し上げた。中国IT大手のテンセント(
00700)は連日で上場来高値を付けた。ベラルーシの合弁組立工場が完成したと伝わった吉利汽車(
00175)や、取引所運営の香港証券取引所(
00388)、乳製品メーカーの中国蒙牛乳業(
02319)も大きく買われた。半面、前日大引け後に発表した2017年1−9月期決算が13.8%減益だった中国旺旺(
00151)が急落。ハンセン指数構成銘柄から除外されることが決まっている昆侖能源(
00135)も安い。
H株では通信機器メーカーの中興通訊(
00763)が8.75%高。次世代通信規格「5G」関連が本土市場で上昇し、香港市場にも買いが波及した。保険株の中国太平洋保険(
02601)、不動産株の万科企業(
02202)、証券株の中信証券(
06030)も大幅高となった。一方、非鉄株の洛陽モリブデン(
03993)が逆行安。医薬株の上海復旦張江バイオ(
01349)、山東新華製薬(
00719)もさえない。