世界有数の総合金融グループ、HSBC（00005）が12月1日から香港の確定拠出型年金「強制性公積金（MPF）」の運用手数料を引き下げる。年金の中には27％も手数料が下がるケースもある。引き下げ幅は過去最大で、手数料の引き下げ競争につながる可能性もある。香港では同年金の加入者は280万人にのぼり、運用資産は1000億米ドルに達する。手数料引き下げで、受け取る年金も増えることになる。『サウスチャイナ・モーニングポスト』が25日伝えた。

　HSBCの年金担当幹部は16日、加入者の退職後のニーズに合わせ決定したと指摘。「手数料引き下げは2007年以降で今回が6度目で、150万口座に恩恵が及ぶ」とした上で、今後も引き下げに応じる用意があることを示唆した。香港政府は4月、MPFを販売する金融機関に対し、手数料率の上限を0.75％とする「デフォルト投資ファンド（DIF）」を最低でも1つ提供することを義務付けており、全体的な手数料の引き下げを推進する方針を示していた。HSBCはスケールメリット活かして手数料引き下げを進める方針。

　HSBCの株価は日本時間午後4時45分現在、前日比0.27％高の75.30HKドルで推移している。