15日の香港市場は前日の米株安の流れを引き継ぎ売り優勢で始まるか。14日のNY株式相場は反落。中国の経済指標悪化を受けて商品相場が下落し、資源・エネルギー株が売られたほか、長短金利差縮小が嫌気され金融株も軟調。米税制改革の遅れへの懸念も引き続き重しとなった。香港市場ではハンセン指数が前日に小反落となったが、足元で9年11カ月ぶりの高値水準を維持しており、利益確定の売りが出やすい環境が続く。
もっとも、下値は限られると予想する。米ドル高や米長期金利の上昇が一服して新興国からの資金流出懸念が和らいでいることに加え、相互取引を通じた本土から香港市場への資金流入が続いており、相場の下支え要因になるだろう。また、香港市場では、IT大手のテンセント(
00700)がきょう発表する17年7−9月期決算に対する期待が高い。16日にはテンセントが出資する易キン集団(
02858)の香港メインボードへの上場が予定されており、IT銘柄への買いを誘いそうだ。
なお、14日の香港株の米国預託証券(ADR)は時価総額の大きいテンセント、本土商業銀行大手の中国建設銀行(
00939)、中国工商銀行(
01398)などが香港終値を下回った。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を約100ポイント下回る水準で寄り付くことになる。