20日の香港市場は反発スタートか。世界的な株高が進み、相場過熱感がくすぶる中、前日のハンセン指数は後場に失速した。中国共産党大会が18日に開幕し、重要イベント通過後の一服感や、中国の2017年7−9月国内総生産(GDP)など主要経済指標が期待ほど強い内容にならなかったことなどを受けて、利益確定売りが膨らみ、一時は狼狽売りの様相を呈した。19日は米国株が暴落した「ブラック・マンデー」から30年の節目でもあった。一方、前日のNY市場はダウ平均が下げて始まったものの、結局は根強い決算期待を背景に4日連続で最高値を更新した。堅調な米国市場を受けて、きょうの香港市場は安値拾いの買いが先行すると予想する。
もっとも、高値警戒感は依然として重しとなりそうだ。過去の共産党大会では総じて開幕後に香港と中国本土の株式相場は下げたという「経験則」もあり、利益確定売りが出やすい状況は続いている。なお、19日の香港株の米国預託証券(ADR)は、HSBC(
00005)、テンセント(
00700)、中国建設銀行(
00939)、AIAグループ(
01299)など主力株がそろって香港終値を上回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を120ポイント上回る水準で寄り付くことになる。