13日の香港市場は売り先行か。前日のNY市場で主要3指数はそろって取引時間中の史上最高値を更新したものの、いずれも小幅安で終了した。相場全体を動かす材料に乏しい中、目先の利益を確定する売りが出た。香港市場でもハンセン指数は2007年12月以来の高値圏で推移しており、高値警戒感が相場の重しとなりそうだ。また、きょうから週明けにかけて中国の9月貿易統計と物価統計の発表を控え、様子見気分が広がる可能性がある。
一方、下値は底堅いと予想する。9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録がややハト派的な内容だったことを受けて米利上げベースが鈍化するとの見方が浮上し、米長期金利の指標である米10年債利回りが低下。新興国市場からの資金流出懸念は後退している。加えて、18日開幕の中国共産党大会を控え、当局が相場の安定を維持するとの思惑も下値を支えよう。
12日の香港株の米国預託証券(ADR)は、時価総額上位で欧州金融大手のHSBC(
00005)、IT大手のテンセント(
00700)、本土国有銀行の中国建設銀行(
00939)、通信キャリアのチャイナ・モバイル(
00941)が香港終値を下回った半面、アジア生保のAIAグループ(
01299)が上回って引けた。一方、きょう発表される中国の9月貿易統計は、米ドル建て輸出の市場予想が前年同期比10.0%増(前月実績は5.5%増)、輸入が14.7%増(同13.3%増)。