米ガートナーが10日発表した2017年第3四半期(7−9月)の世界パソコン出荷数(速報値)は、前年同期比3.6%減の6700万台と、四半期ベースで12期連続の減少となった。ガートナー主任アナリストの北川美佳子氏は、EMEA(欧州、中東、アフリカ)と日本、南米でパソコン市場が安定する兆しが見えるとしたものの、「米国市場は前年同期比で10%減っており、新学期シーズンの販促効果が著しく弱かったのが一因だ」と述べた。
企業別出荷数は、首位の米HPが1459万2000台(市場シェア21.8%)、2位のレノボグループ(
00992)が1435万6000台(同21.4%)と僅差だった。ただ、前年同期比の変化率はHPが4.4%増、レノボグループが1.5%減と明暗を分けた。5四半期連続で増加したHPと、過去10四半期中8四半期が減少だったレノボグループの勢いの差は明白だ。
米国市場ではレノボグループの出荷は前年同期比25.2%減少し、2005年に米IBMのパソコン事業を買収して以来、最大の落ち込みとなった。同社は以前から市場シェア拡大と収益性のジレンマに直面していたが、ここへきて収益性重視に傾いたとガートナーはみている。
3−6位の市場シェアは米デル15.2%、台湾エイスース7.3%、米アップル6.9%、台湾エイサーグループ6.5%。 上位6社のうち、HPを除く5社の出荷数が前年同期を下回った。
レノボグループの株価は日本時間午前11時55分現在、前日比0.68%安の4.35HKドルで推移している。