11日の香港市場は米株高の流れを引き継ぎ買い優勢で始まるか。前日のNY株式市場は主要3指数が反発。ダウ平均は3営業日ぶりに過去最高値を更新した。国際通貨基金(IMF)が世界経済成長見通しを引き上げたことが好感されたほか、朝鮮労働党創建記念日を迎えた北朝鮮に特段の動きがなかったことも安心感につながった。香港市場では本土市場が連休明けから続伸していることや、相互取引を通じた本土から香港市場への資金流入期待が引き続き相場を支えるだろう。
ただ、ハンセン指数は前日に2007年12月以来、約10年ぶりの高値を更新した後で、目先の利益を確定する売りが出やすい環境。また、週後半から来週にかけて中国の9月の貿易統計など主要経済指標の発表が続くことから投資家の様子見姿勢が強まる可能性がある。なお、香港ではきょう日本時間午後0時から林鄭月娥・特別行政区長官が就任後初めての施政方針演説を行う。演説では若年層などへの不動産購入支援策「スターター・ホームズ」を発表するとされ、前日の香港市場では農地の住宅地転用が加速することなどへの政策期待が高まった。
10日の香港株の米国預託証券(ADR)は中国IT大手のテンセント(
00700)、中国石油メジャーのCNOOC(
00883)、本土保険大手の中国平安保険(
02318)、欧州金融大手のHSBC(
00005)などが香港終値を上回った。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を80ポイント上回る水準で寄り付くことになる。