2017-09-21 |
香港/マーケット/証券 |
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【相場見通し】買い先行か、イエレンFRB議長発言受け買い安心感
21日の香港市場は買いが先行か。米連邦準備理事会(FRB)は20日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で10月からの保有資産の圧縮開始を決め、年内あと1回の利上げを見込む前回の予想を維持した。ただ、イエレンFRB議長は記者会見で「物価の2%割れはミステリー」と述べ、物価停滞が長引いた場合は利上げ方針を変更する可能性を示唆。ダウ平均は9日続伸し、7日続けて過去最高値を更新した。香港市場でもFRBが利上げペースを加速しないとの見方が買い安心感につながりそうだ。一方、米債券市場では量的緩和の縮小見通しを受けて長期金利が上昇しており、利ざや改善が期待できる金融機関が株式市場で買われるだろう。
半面、米長期金利の上昇により、香港を含めた新興国市場からの資金流出に対する警戒感が強まるだろう。主要通貨に対する米ドルの強さを示すドルインデックスは9月半ば以降に下げ止まっている。また、20日のNY市場で、アップルなどのテクノロジー株の下落が重しとなったナスダック総合は小幅ながら4日ぶりに反落。香港市場のハイテク株にも売りが波及する可能性がある。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、保険株のAIAグループ(
01299)や中国平安保険(
02318)、不動産株の中国海外発展(
00688)が香港終値を上回った一方、欧州の銀行最大手HSBC(
00005)、中国のIT大手テンセント(
00700)、携帯通信最大手チャイナ・モバイル(
00941)は下回って引けた。