20日の香港市場は前日の米株高の流れを引き継ぎ買い優勢ではじまるか。19日の米株式市場はダウ平均が8日続伸するなど主要3指数がともに史上最高値を更新。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えて調整が続いたが、米企業の業績拡大傾向が続くとの期待を背景に買いが続いた。香港市場では中国本土市場との相互取引制度を通じた資金流入の増加が相場を支え、押し目買いが優勢となるとみる。
一方、上値を追う動きは限られると予測される。米長期金利が約1カ月ぶりの水準まで上昇しており、新興国市場から米国への資金還流に対する警戒感が高まっている。20日のFOMCの結果発表とイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見を前にした様子見ムードも漂う。また、北朝鮮情勢を巡って、トランプ米大統領は19日に国連総会の演説で、「米国と同盟国を守ることを迫られた場合、北朝鮮を完全に破壊する」と言及。19日の米株式市場での影響は限定的だったが、警戒感が急速に高まる可能性を残す。
なお19日の香港株の米国預託証券(ADR)は欧州金融大手のHSBC(
00005)やAIAグループ(
01299)、本土保険大手の中国平安保険(
02318)などが香港終値を上回った。半面、4大国有銀行の中国工商銀行(
01398)や香港を代表するコングロマリットの長江和記実業(
00001)などが下回って終えている。