15日の香港株式市場でハンセン指数は3日ぶりに小反発。終値は前日比0.11%高の27807.59ポイントだった。H株指数は0.30%安の11067.55ポイント。メインボードの売買代金は概算で1172億4100万HKドルの大商いとなった。
ハンセン指数は方向感を欠いた。8月の米消費者物価指数(CPI)の予想上振れを受けた年内の米利上げ観測の強まりや、北朝鮮のミサイル発射で地政学的リスクが再び高まることへの警戒感から売りが先行し、安寄り後に下値を切り下げる展開となった。一時は下げ幅を0.9%超に拡大したが、売り一巡後は値ごろ感から買い戻しが入った。朝方に割り込んだ20日移動平均(15日大引け時点で27692.33ポイント)を回復すると、指数は前引けにかけて一気に上げ足を速めた。ただ、後場は27900ポイント付近で伸び悩むと再び軟調な値動きとなり、小安い水準でのもみ合いが続いたが、クロージング・オークション・セッション(大引け後10分間の板寄せセッション)の間に切り返して小幅高で引けた。中国本土から香港株に投資する「港股通」(サウスバウンド・トレーディング)は、深セン経由が引き続き買い越しとなった一方、上海経由は売り越しに転じた。
ハンセン指数構成銘柄では、香港で農地の住宅地への転用が加速するとの見方が広がる中、農地保有規模の大きい恒基兆業地産(
00012)が買いを集めた。石油メジャーのCNOOC(
00883)や乳製品メーカーの中国蒙牛乳業(
02319)、本土不動産株の中国海外発展(
00688)も高い。時価総額上位のテンセント(
00700)、チャイナ・モバイル(
00941)が指数を支えた。半面、欧州金融大手のHSBC(
00005)が下げたほか、中国建設銀行(
00939)、中国人寿保険(
02628)など本土金融株も総じて軟調に推移し、相場の重荷となった。アップル関連銘柄の瑞声科技(
02018)や前日に高かった台湾食品メーカーの中国旺旺(
00151)が反落。石炭の中国神華能源(
01088)は続落した。
H株では、電力の華能新能源(
00958)、大唐国際発電(
00991)、華電福新能源(
00816)や通信設備大手の中興通訊(
00763)が高い。不動産大手の万科企業(
02202)は大幅に続伸した。半面、非鉄金属の洛陽モリブデン(
03993)、中国アルミ(
02600)、石炭のエン州煤業(
01171)、セメントの安徽コンチセメント(
00914)、鉄鋼のアンガン・スチール(
00347)、馬鞍山鋼鉄(
00323)の下げがきつかった。