12日の香港株式市場でハンセン指数は小幅ながら3営業日続伸。終値は前日比0.06%高の27972.24ポイントだった。H株指数は0.19%高の11242.06ポイント。メインボードの売買代金は概算で899億1700万HKドル。
ハンセン指数は米株高の流れを引き継ぎ、1週間半ぶりに心理的節目の28000ポイントに乗せて寄り付いたが、急速に下げ幅を縮め、ほどなくしてマイナス圏に沈んだ。きょう朝方、国連安全保障理事会で採決された北朝鮮への制裁決議は米国が当初提案した原油の全面禁止などから後退した内容だったものの、事前の報道を受けてすでに織り込まれているため、市場への影響が限られた。ハンセン指数が前日まで2連騰した後とあって、序盤から先週高かった不動産株を中心に利益確定売りが膨らんだ。ただ、27900ポイント付近では下げ渋り、前場半ば以降はおおむね前日終値付近での小動きが続いた。追加制裁に対する北朝鮮の反応や、今週中に発表される中国本土の金融、投資など重要経済指標を見極めたい投資家心理から次第に様子見気分が広がった。
ハンセン指数構成銘柄では、自動車の吉利汽車(
00175)が大幅高。中国政府がガソリン車の生産・販売の禁止を検討し始めたとの情報に加え、今週中にもより厳格化した燃費規制を発表するとの報道が手掛かりとなった。電力大手の華潤電力控股(
00836)、パソコン世界大手のレノボグループ(
00992)が続伸した。半面、長江実業地産(
01113)、恒隆地産(
00101)、信和置業(
00083)など香港デベロッパーが安い。消費関連の恒安国際集団(
01044)、中国旺旺(
00151)が売られたほか、中国建設銀行(
00939)、中国銀行(
03988)など本土銀行株も総じて軟調だった。
H株では、電気自動車メーカーのBYD(
01211)が大幅続伸。クリーンエネルギー大手の新天緑色能源(
00956)、華能新能源(
00958)も高い。大規模な資産再編を含む重大事項を計画していると発表した中国アルミ(
02600)が買いを集めた。半面、金相場の下落を嫌気して産金株の招金鉱業(
01818)が安い。米ドルに対する人民元中間レートが12営業日ぶりに反落したことを受けて航空株の中国南方航空(
01055)、中国国際航空(
00753)がさえない。