吉利汽車(
00175)が16日に発表した2017年6月中間決算は、売上高が前年同期比117.9%増の394億2400万元、純利益が前年同期比127.7%増の43億4400万元となった(ファクトセットがまとめた市場コンセンサス予想は売上高が401億7400万元、純利益が40億4600万元)。新車販売台数が89.3%増の53万600台に伸びたことに加え、高価格帯モデルの比重を高めた車種構成で1台当たりの平均価格が7万3077元と16.4%上昇し、大幅増益に貢献した。
中国乗用車市場の新車販売が伸び悩む中、主力のセダンやSUVが引き続き好調。セダンは「新帝豪」を含む「帝豪シリーズ」の販売台数が10.1%増の11万7700台。SUVは16年に販売を開始した新モデルの「博越」や「遠景SUV」、今年5月から販売を開始した「遠景X1」が好調で3車種の販売台数は17万8800台。クロスオーバーSUVの「帝豪GS」も5万8300台と堅調に伸ばしている。このような中、同社の販売台数全体に占めるセダンの比率は16年通期の69%から17年6月期の55%に低下し、代わってSUVの比率が上昇している。同社は17年下期についてSUVの販売を重点的に展開するとしている。一方、地域別では、国内が前年同期比95.3%増の52万6800台と大幅増となった半面、輸出は同63.9%減の3800台。同社は輸出不信の原因として、東欧、中東、アフリカの政治・経済環境を挙げている。
17年通期の目標販売台数について、同社は当初の100万台から110万台に引き上げた。新たな目標に対する17年6月末現在の達成率は48.2%にとどまるが、下期に販売予定の新モデルに対する市場の反応が良いとみて上方修正に踏み切った。下期の新車販売はコンパクトSUV「遠景X3」や現行車種のアップグレードのほか、プラグインハイブリッド車、ボルボと共同開発した小型車用プラットフォーム「CMA(コンパクト・モジュール・アーキテクチャー)」を採用した新型車を予定しており、さらなるシェア拡大を目指す。また、同社は8月上旬に親会社の浙江吉利控股集団や同社傘下のボルボ・カーと合弁会社の設立に合意。17年10−12月期にも「CMA」を基に開発した「Lynk&Co」ブランドの1号車を発表する予定。
吉利汽車の株価は日本時間午後4時11分現在、前日比0.63%安の19.04HKドルで推移している。