16日の香港市場は強弱材料が交錯するなか、方向性に乏しい値動きか。前日に、北朝鮮の金正恩委員長が米領グアム沖へのミサイル発射について、「米国の行動をもう少し見守る」と述べたと伝わり、市場では軍事的衝突への警戒感が後退している。半面、本土市場との相互取引制度を通じた香港株取引は15日まで3営業日連続で売り越しとなり、投資家心理を悪化させた。同日のNY市場で原油先物が小幅ながら続落したことも、関連銘柄の売り材料となろう。
決算発表がピークにさしかかり、大型株の業績を見極めたいとして様子見ムードが強まる可能性がある。きょうは ハンセン指数構成銘柄のテンセント(
00700)、吉利汽車(
00175)、キャセイ・パシフィック(
00293)、華潤電力控股(
00836)が2017年6月中間決算を発表する。あすは中国平安保険(
02318)と太古A(
00019)が決算発表の予定。
15日のNY株式相場はほぼ横ばい。終日狭いレンジでのもみ合いとなった。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は高安まちまち。銀行株のHSBC(
00005)や中国工商銀行(
01398)、中国銀行(
03988)が香港終値を下回った一方で、中国IT大手のテンセント、アジア基盤の保険会社AIAグループ(
01299)、香港系不動産デベロッパーの新鴻基地産(
00016)が上回って終えた。