10日の香港株式市場でハンセン指数は反落。終値は前日比1.13%安の27444.00ポイントだった。H株指数は1.65%安の10782.20ポイント。メインボードの売買代金は概算で1219億9900万HKドルと年初来で最大だった。
ハンセン指数は小高く寄り付いた直後に下げに転じ、前場に下落率が1.77%に達する場面があった。北朝鮮の朝鮮人民軍の戦略軍司令官が米領グアム周辺へのミサイル発射計画について「8月中旬までに最終確定する」と述べたと伝わり、米国との軍事的緊張の高まりが警戒された。リスク回避の売りが幅広いセクターに波及して大商いとなり、ハンセン指数は下値支持とされた10日移動平均(大引け時点で27529.10ポイント)を割り込んで取引を終えた。前日の欧米市場やきょうの中国本土市場の下落も嫌気された。
個別では、大型金融株のHSBC(
00005)や中国建設銀行(
00939)、中国工商銀行(
01398)が軒並み続落。前日に急伸していたワーフ(
00004)が7.03%下げ、テンセント(
00700)も反落した。取引所運営の香港証券取引所(
00388)、自動車メーカーの吉利汽車(
00175)が安い。一方、中国携帯通信最大手のチャイナ・モバイル(
00941)が後場に大幅高。前引け後に発表した2017年6月中間決算が市場予想を上回る増益となった上、特別配当の実施を発表し、買いを集めた。消費財関連の恒安国際集団(
01044)と中国蒙牛乳業(
02319)、香港を地盤とするハンセン銀行(
00011)は逆行高を演じた。
H株では、素材株の下落が目立つ。ニッケルメーカーの新疆新キン鉱業(
03833)、石炭会社のエン州煤業(
01171)、鉄鋼メーカーのアンガン・スチール(
00347)などが安い。セメント・建材大手の北京金隅(
02009)、発電設備の東方電気(
01072)も大きく売られた。半面、金鉱株の霊宝黄金(
03330)と招金鉱業(
01818)が買われた。自動車メーカーの東風汽車集団(
00489)は反発した。