9日の香港市場は米株安の流れを引き継ぎ売り先行の展開か。前日のNY株式市場はダウ平均が11営業日ぶりに反落。ナスダック総合、S&P500も反落した。4−6月期決算発表が峠を越え材料が乏しいなか、トランプ大統領の北朝鮮へのけん制発言を受けて地政学リスクが高まり、投資家心理を冷やした。前日のハンセン指数は終値ベースでほぼ2年2カ月ぶりの高値を連日で更新したことを受け、市場では節目の28000ポイント超えが意識されている。ただ、地政学リスクへの高まりや高値警戒感からの利益確定売りが強まる可能性が高い。
一方、下値は限られると予想する。米ドル安に伴う新興国市場への資金流入期待に加え、相互取引を通じて本土から香港市場への資金流入が続いていることが投資家心理を支えよう。2017年中間期業績や業績見通しを手掛かりとした物色も引き続き活発になりそうだ。きょうはハンセン指数構成銘柄の香港証券取引所(
00388)とワーフ(
00004)が中間決算を発表する。なお、中国本土ではほぼ寄り付きと同時に7月の消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)が発表される。結果次第では相場のボラティリティが高まる可能性がある。
8日の香港株の米国預託証券(ADR)は高安まちまち。アジア生保のAIAグループ(
01299)やIT大手のテンセント(
00700)、生保大手の中国平安保険(
02318)などが香港終値を上回った半面、欧州金融大手のHSBC(
00005)や中国4大商業銀行の中国工商銀行(
01398)、中国の通信キャリア大手のチャイナ・モバイル(
00941)が下回って引けた。