中国の水道事業大手、中国水務集団(
00855)は29日前引け後、2015年9月に発表していたコンクリート部門などの分離上場計画を棚上げすると発表した。江西省と湖南省のコンクリート事業と、湖南省寧郷県の水道管敷設・メーター取り付け事業をスピンオフする方針だったが、経営環境の変化と国内コンクリート業界の見通しを考慮し、現状の体制のまま中核事業の水道部門に力を入れる方針を決めた。
同社は政府と共同で中国各都市の上水道事業に投資し、建設と運営を担う事業モデルを強みとする。中国では都市化と工業化が進展する上、政府が官民パートナーシップ(PPP)により公共サービスを提供しており、事業機会は大きいと見込む。
同時に発表した2017年3月本決算は、売上高が前年比20.4%増の57億800万HKドル、純利益は40.4%増の8億5400万HKドルだった。部門別の利益は、主力の都市上水道運営・建設が25.8%増の18億4700万HKドル、下水処理・排水の運営・建設が12.9%増の2億800万HKドル。不動産部門は投資不動産の評価益が2億6400万HKドル(前年は5300万HKドル)に急増したため、部門利益が616.6%増の3億1600万HKドルに達した。
中国水務集団の株価は日本時間午後3時59分現在、前日比2.34%安の4.60HKドルで推移している。