21日の香港市場は欧米株安の流れを引き継ぎ売りが先行しそうだ。前日の欧州市場はドイツ株、ロンドン株がそろって3日ぶりに反落した。米株市場でもダウ平均が3日ぶり反落。原油先物相場が大幅安となったことを受け、投資家が運用リスク回避姿勢を強めるとの見方が広がった。ダウ平均が連日で過去最高値を更新した後で、利益を確定する目的の売りも誘った。ハイテク株の比率が高いナスダック総合が反落したことも、香港市場でのIT・ネット関連株への売りを誘いそうだ。
一方、売り急ぐ動きは限定的か。株価指数を開発・算出するMSCIは日本時間21日早朝、中国本土A株の新興国株指数への採用を発表した。実際の採用は2018年6月となるが、長期的にはプラス材料。3年連続で見送られてきた後の採用決定だけに、相場を支える要因になるとみる。
なお、20日の香港株の米国預託証券(ADR)は時価総額の大きい欧州金融大手のHSBC(
00005)、中国の通信キャリア大手のチャイナ・モバイル(
00941)に加え、中国石油メジャーのペトロチャイナ(
00857)、シノペック(
00386)や、中国工商銀行(
01398)、中国平安保険(
02318)など本土金融大手がそろって香港終値を下回って終えた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を約160ポイント近く下回る水準で寄り付くことになる。