24日の香港株式市場でハンセン指数は4営業日続伸。終値は前日比0.10%高の25428.50ポイントだった。H株指数は0.04%安の10390.87ポイント。メインボードの売買代金は概算で700億7200万HKドル。
ハンセン指数は方向感に乏しい展開。安く寄り付いた後、序盤に下げ幅を拡大。米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスが中国の人民元建てと外貨建ての国債格付けを「Aa3」から「A1」に1段階引き下げたことを受け、人民元安の進行や中国からの資金流出が警戒された。指数が約1年10カ月ぶりの高値圏で推移しているだけに、目先の利益を一旦確定する売りが重しとなった。ただ、売り一巡後は下げ幅を縮小し、マイナス圏の狭いレンジでもみ合った。24日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の発表、25日の石油輸出国機構(OPEC)総会など重要イベントを控え、見送りムードも漂った。一方、中国本土市場で上海総合指数が大引け間際に切り返し、小幅ながらも3日ぶりに反発して引けると、ハンセン指数も終盤にプラス圏に浮上。結局、きょうの高値で取引を終えた。
ハンセン指数構成銘柄では、証券会社による投資判断の引き上げを好感し、香港航空大手のキャセイ・パシフィック(
00293)が6%を超す大幅反発。通信キャリアで混合所有制改革テーマ株のチャイナ・ユニコム(
00762)も後場から急伸。国家発展改革委員会が約20社の中央企業で混合所有制改革の試行が順調に進んでいると明かしたことが手掛かりとなった。半面、連日で上場来最高値を更新していたIT大手のテンセント(
00700)が売られ、相場の重荷となった。足元で堅調だった中国人寿保険(
02628)、中国平安保険(
02318)など本土保険株や、中国建設銀行(
00939)、中国工商銀行(
01398)など本土銀行株、CNOOC(
00883)など石油株が総じて軟調だった。
H株では、万科企業(
02202)、広州富力地産(
02777)など本土不動産の一角が高い。筆頭株主と会長によるH株の買い増しを好感し、医薬株の上海復星医薬(
02196)が買われた。半面、自動車株の広州汽車集団(
02238)、長城汽車(
02333)がさえない。セメントの安徽コンチセメント(
00914)、通信設備大手の中興通訊(
00763)も軟調だった。