23日の香港株式市場でハンセン指数は小幅ながら3営業日続伸。終値は前日比0.05%高の25403.15ポイントだった。H株指数は0.20%高の10395.28ポイント。メインボードの売買代金は概算で847億8100万HKドル。
ハンセン指数は神経質な展開となった。小高く寄り付いた後、後場中盤までおおむねプラス圏でもみ合った。寄り付き前に英国のコンサート会場で複数の死傷者を出した爆発が起きたと伝わったものの、前日の米株高の流れや本土からの資金流入観測を受けて買いがやや優勢となり、一時は前日に続き2015年7月以来の高値を更新。ただ、高値警戒感から上値の重さが目立ったほか、英爆発事件が自爆テロとの見方などからリスク回避の動きに対する警戒感が次第に強まった。本土市場の地合い悪化もあり、利益確定が重しとなり後場半ばには一時マイナス圏に沈んだ。一方、英国株やドイツ株など欧州主要市場が小高く始まると、ハンセン指数は終盤に切り返し、結局、小幅高できょうの取引を終えた。
ハンセン指数構成銘柄では、4月のマカオ訪問客の急増を好感し、カジノの銀河娯楽(
00027)、サンズ・チャイナ(
01928)が高い。通信キャリアのチャイナ・ユニコム(
00762)、港湾大手の招商局港口(
00144)も堅調。中国保険監督管理委員会が保険資金による大型プロジェクトへの投資奨励の方針を示したことが引き続き材料視され、中国人寿保険(
02628)、中国平安保険(
02318)など保険株が続伸。半面、パソコン世界大手のレノボグループ(
00992)、電力株の華潤電力控股(
00836)が売られたほか、連日で上場来最高値を更新したテンセント(
00700)に利益確定売りが出た。信和置業(
00083)、長江実業地産(
01113)など香港デベロッパーも安い。香港金融当局による不動産ローンの引き締め強化を受け、スタンダード・チャータード(
02888)など一部銀行で住宅ローン金利の引き上げに向けた動きが出ているとの報道が嫌気された。前日に高かった香港航空大手のキャセイ・パシフィック(
00293)が反落した。
H株では、招商銀行(
03968)、中国光大銀行(
06818)など本土銀行株の一角が高い。政府系不良債権処理会社の中国華融資産管理(
02799)が反発した。半面、先物相場の上昇を受けて前日に買われた馬鞍山鋼鉄(
00323)、重慶鋼鉄(
01053)など鉄鋼株や、シノペック石油工程技術服務(
01033)などメタンハイドレートテーマ株が利益確定売りに押された。