週明け22日の香港市場で油ガス田サービス銘柄が高い。中国が南シナで「燃える氷」と呼ばれる次世代エネルギー資源メタンハイドレートの試験採掘に成功したと伝わり、海上掘削プラットフォームの需要拡大を見込む買いが膨らんだもよう。
中国国営新華社によると、国土資源部の姜大明部長は18日、中国大陸から300キロメートル以上離れた南シナ海北部・神狐海域で、中国初のメタンハイドレートの試験採掘に成功したと発表した。水深1200メートルの海底の200メートル地下から海上プラットフォームへメタンハイドレートが分解して出来た天然ガスを187時間連続で安定して取り出した。採掘を始めた10日から18日までのガス産出量は12万立方メートルに達した。
『東方財富網』によると招商証券のアナリストは、メタンハイドレート採掘の恩恵が大きい銘柄として海上掘削設備のメーカーを挙げた。メタンハイドレート由来の天然ガス供給が増えれば、エネルギー消費全体に占める天然ガスの比率が高まり、液化天然ガス(LNG)輸送機器なども需要が広がるとみている。具体的には、海洋エンジニアリング部門を持つ中国国際コンテナ(
02039/
000039)や、海上掘削プラットフォームを手掛ける中国船舶重工(
601989)、LNG輸送船を建造する中国船舶工業(
600150)などを挙げた。
一方、太平洋証券のアナリスト、張学市は、メタンハイドレート採掘の商業化は未だ検討段階にあり、コストが非常に高いと指摘。近い将来に大規模開発が始まる可能性は低く、企業業績への影響は限られるとした。ただ、長期的観点からの投資対象としては妙味があるとして、中石化石油機械(
000852)、海洋石油工程(
600583)、煙台傑瑞石油服務集団(
002353)、蘇州紐威閥門(
603699)などを推奨した。
日本時間午後3時9分現在、関連銘柄の値動きは次の通り。
■シノペック石油工程技術服務(
01033):1.41HKドル(前営業日比2.17%高)
■華油能源(
01251):0.58HKドル(同9.43%高)
■中海油田服務(
02883):7.29HKドル(同2.97%高)
■安東油田服務(
03337):0.85HKドル(同%高)