2017-05-22 |
香港/政策/不動産 |
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香港金融当局、不動産ローンの引き締め強化
香港金融管理局(HKMA)は19日、銀行のリスク管理体制と体質強化に向け不動産担保ローンに対する新たな引き締め策を発表した。2017年5月19日以降の新規住宅ローンに対し、3点を条件として提示し、規制強化を即日実施した。具体的な規制の内容は、◇与信リスクに対する資本コストを内部格付手法で計算した場合のリスク下限を15%から20%に引き上げる◇住宅ローンをすでに保有する借り手への新規借り入れの際の不動産価値に対する負債比率(LTV)の上限を10ポイント引き下げる、◇主な収入を香港以外から得ている借り手の債務返済比率(DSR)限度を10ポイント引き下げる――の3点。
HKMAの陳徳霖総裁は、2017年3月の香港の不動産価格が直近ピーク時の2015年9月の水準を超えたと指摘。住宅物件の取引件数は2017年1月の3300件から4月には7000件に倍増したとして警戒感を示した。これを踏まえ銀行のリスク管理体制強化に向け規制強化が必要とした。その上で、今後も不動産市場への監視を強め、金融システムの安全性を確保する方針を示した。