17日の香港市場は前日の米株が底堅く推移した流れを引き継ぎ買い先行で始まるか。16日の米株式市場でダウ平均は小反落。米政治に対する不透明感が重しとなった。ただ、4月の米鉱工業生産が市場予想より改善したことを好感した買いが入る場面があったほか、ハイテク株の一角も底堅く、ダウ平均の下値は堅かった。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合は連日で過去最高値を更新。香港市場ではIT大手のテンセント(
00700)がきょう2017年1−3月期決算を発表することもあり、ハイテク関連株への買いを誘いそうだ。前日に中国本土の上海総合指数が終盤に切り返し、心理的節目の3100ポイント台を回復したことも投資家センチメントを後押ししよう。
一方、ハンセン指数は前日に7日ぶりに反落したものの、足元で1年10カ月ぶりの高値水準を維持しており、利益確定の売りが出やすい相場環境が続く。このほか週初発表の鉱工業生産、固定資産投資など中国の4月の経済指標が軒並み市場予想下回ったことを受けた景気減速への懸念もくすぶる中、総じて神経質な相場展開が予想される。
16日の香港株の米国預託証券(ADR)は時価総額の大きいHSBC(
00005)、テンセント(
00700)、中国の通信キャリア大手のチャイナ・モバイル(
00941)、アジア生保大手のAIAグループ(
01299)などがそろって香港終値を上回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を60ポイント余り上回る水準で寄り付くことになる。