16日の香港株式市場でハンセン指数は7営業日ぶりに反落。終値は前日比0.14%安の25335.94ポイントだった。H株指数は0.16%安の10433.69ポイント。メインボードの売買代金は概算で780億4300万HKドル。
ハンセン指数は小高く寄り付いたが、ほどなくして下げに転じ、その後はマイナス圏で推移した。指数がこれまで6連騰し、約1年10カ月ぶりの高値圏にあるだけに利益確定売りが出やすい状況だった。中国当局が今年の最重要会議と位置づける「一帯一路」(海と陸のシルクロード)国際協力サミットが前日に閉幕し、きょうの本土市場で上海総合指数が4営業日ぶりに反落してスタートしたことも投資家心理を悪化させた。指数は前場半ばに下げ幅を0.5%超に広げる場面もあったものの、同水準で下げ渋り、その後は次第に下げ幅を縮小した。上海総合指数は終盤に切り返し、きょうの高値で引けたが、ハンセン指数は前日終値付近で上値の重さが目立ち、プラス圏に浮上することはなかった。
ハンセン指数構成銘柄では、アジア生保大手のAIAグループ(
01299)、香港コングロマリットの長江和記実業(
00001)や同系列の長江実業地産(
01113)が売られ、相場の重しとなった。MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)香港指数の見直しで構成銘柄から除外されたキャセイ・パシフィック(
00293)が安い。空売り投資会社が主張した利益粉飾疑惑が引き続き嫌気され、アップル関連銘柄の瑞声科技(
02018)が4営業日大幅続落。前日にハンセン指数構成銘柄で上昇率1位だった石油メジャーのシノペック(
00386)にも利益確定売りが出た。半面、中国政府系投資持ち株会社の中国中信(
00267)が大幅逆行高。クレディ・スイスが中国の火力発電セクターにポジティブな見方を示し、関連銘柄の投資判断と目標株価を引き上げたことが材料視され、電力株の華潤電力控股(
00836)が上昇した。ハンセン指数を構成する50銘柄のうち、22銘柄が上昇、2銘柄が変わらず、26銘柄が下落した。
H株では、JPモルガンの弱気判断を受けて建材大手の中国建材(
03323)が5%を超す下げ。「一帯一路」サミットの閉幕で材料出尽くし感からインフラ建設の中国鉄建(
01186)、鉄道車両メーカーの中国中車(
01766)が売られた。半面、大唐国際発電(
00991)、華電国際電力(
01071)など電力株がそろって高い。通信設備大手の中興通訊(
00763)、自動車大手の北京汽車(
01958)、東風汽車集団(
00489)も堅調だった。