12日の中国本土株式市場で、上海総合指数は続伸。終値は前日比0.72%高の3083.51ポイントだった。上海、深セン両市場の売買代金は概算で3736億1900万元。
上海総合指数は小動きで始まり、中盤以降に上げ幅を拡大した。金融株が総じて上昇し、相場全体をけん引した。午前に中国人民銀行(中央銀行)が中期貸出制度(MLF)を通じて期間6カ月と1年の資金4590億元を供給すると発表。金融機関に対する当局の監督強化が警戒されてきただけに、流動性の拡大を好感する買いが膨らんで銀行株と保険株が全面高となった。短期金利の指標となる上海銀行間取引金利(SHIBOR)翌日物が前日比で大きく下げたことも買い安心感につながった。もっとも、前場中盤までは相場に方向感が乏しく、マイナス圏に沈む場面もあった。後場に入っても水利事業やスマートカーなどのテーマ関連銘柄に売りが出て、上値が伸び悩んだ。セクター別では、金融のほかに公共事業や空運、広東省・香港・マカオを一体開発する「粤港澳大湾区」関連が買われた。一方、軍需関連や金属製品、繊維・アパレルが売られた。
個別では、招商銀行(
600036)や上海浦東発展銀行(
600000)など中堅銀行が軒並み上昇。生保大手の太平洋保険(
601601)、新華人寿保険(
601336)もしっかり。製薬会社の康美薬業(
600518)も高い。石油株はシノペック(
600028)が上げた半面、ペトロチャイナ(
601857)が下げた。インフラ建設の中国電力建設(
601669)と中国交通建設(
601800)、鉄道車両メーカーの中国中車(
601766)はともに反落した。
深セン成分指数は0.12%高の9787.99ポイントと続伸。中国平安保険(
601318)傘下の平安銀行(
000001)が上げたほか、生保事業を手掛ける天茂実業集団(
000627)が制限値幅の上限(ストップ高)まで買われた。上海B株指数は0.22%安の321.92ポイントと反落。深センB株指数は0.58%高の1086.11ポイントと続伸した。