10日前場の香港株式市場でハンセン指数は3日続伸。前場終値は前日比0.80%高の25088.27ポイントだった。H株指数は1.59%高の10290.35ポイント。半日のメインボードの売買代金は概算で473億700万HKドル。
ハンセン指数は小高く寄り付いた後に上げ幅を広げ、ほどなくして2015年7月以来、1年10カ月ぶりに心理的節目の25000ポイント台に乗せた。世界的にリスク選好度が改善する中で、本土系金融株など出遅れ感のある銘柄を中心に物色が活発化。中国本土市場で上海総合指数がおおむねプラス圏で推移したことも好感された。本土メディアによれば、14日に開幕を控える「一帯一路」国際協力サミットを前に当局が株式市場の安定維持を重視。「国家隊」と呼ばれる中国政府系資金も買い支えの準備を整えたことも報じられており、投資家心理の改善につながった。指数は半ば以降に一段高となり、きょうの高値圏で前場の取引を終えた。寄り付きとほぼ同時に中国の4月物価統計が発表されたが、おおむね予想通りに内容で相場への影響は限定的だった。
個別では、中国人寿保険(
02628)、中国平安保険(
02318)など本土系保険株の上昇が目立った。本土で金融監督強化への警戒感が根強い中、『上海証券報』が権威筋の話として、「保険資金を使った悪質な株式大量取得などを厳しく取り締まる一方、長期投資などの資産運用を奨励する政策方針に変わりはない」と伝えたことが買い安心感につながった。中国建設銀行(
00939)、中国工商銀行(
01398)など本土銀行株も堅調。NY市場でナスダック指数が3営業日連続で過去最高値を更新する中、IT大手のテンセント(
00700)は続伸したほか、国有企業混合所有制改革のテーマ株で通信キャリのチャイナ・ユニコム(
00762)も大幅高。半面、国有電力グループの再編報道を手掛かりに前日に買われた華潤電力控股(
00836)は反落。航空大手のキャセイ・パシフィック(
00293)、石炭の中国神華能源(
01088)、香港公益株の中電控股(
00002)、電能実業(
00006)もさえない。